福井ウィメンズクリニック 福井ウィメンズクリニック 電話番号0899690088 福井ウィメンズクリニック 電話番号0899690088

カテゴリー:男性不妊 |お知らせ |愛媛県 松山市 福井ウィメンズクリニック

お知らせ News

Category不妊治療

男性不妊

男性不妊について

無精子症

無精子症とは射出精液中に全く精子が確認されない状態で、男性の約1%に存在すると言われています。 無精子症には造精はあっても精子の輸送ができない「閉塞性無精子症」と、精子の造精が少ないあるいは全くない「非閉塞性無精子症」があります。

無精子症治療

TESEとは精巣(睾丸)から組織を採取しその中から精子を探し出す操作のことです。
精子の確保ができれば、その後、顕微授精などの治療が可能です。当院ではsimple TESE、micro TESEともに行っており、患者様の状況に応じた術式を用いています。

県からの助成金制度もあります。

精巣内精子回収法(simple TESE)

精巣の小さな切り口から組織の一部を採取する方法。

顕微鏡下精巣内精子回収法(micro TESE)

精巣を切開し、手術顕微鏡を用いて精子のいそうな場所(精細管)を探して採取する方法。
当院ではリプロダクションクリニック大阪の石川智基先生の協力を得て2014年1月よりmicro TESEを開始いたしました。
同年12月には県内で初めての出産成功例を得ました。

micro-TESE施行風景

協力医師
リプロダクションクリニック大阪&リプロダクションサポート/ CEO 石川 智基先生※本邦におけるmicro TESEの第一任者です
愛媛大学泌尿器科教室/担当医

TESEの成績(2001年1月〜2017年8月現在)

県内初のmicro TESEの出産成功例となります(2014年12月出生)

simple TESE micro TESE
精子回収率 78.0%(50件中39件) 精子回収率 26.1%(23件中6件)
出産数 22例 (継続妊娠を含みます) 出産数 5例 (継続妊娠を含みます)

費用

simple TESE
250,000円(税込み)※採れた精子の凍結料金を含みます
micro TESE
500,000円(税込み)※採れた精子の凍結料金を含みます

内視鏡治療

FTカテーテル治療(卵管鏡下卵管形成術)

不妊原因の一つに卵管の狭窄や閉鎖があります。
FTカテーテルは卵管の入口に約1mmのカメラを入れて原因部位を検査するとともに、カテーテルを使って原因の除去(通過性の改善)を行います。
ただし、子宮から遠いほど開通させるのが難しいとされ、閉塞が強い場合も開通できません。
強い閉塞を開通する時に、まれに卵管穿孔や出血が起こる危険性がありますが、通常は無治療で経過観察します。また、感染等については抗生剤予防します。
開通成功率は90%程度で、術後の妊娠率は30~40%です。術後6~12ヶ月以内に妊娠成立することが多いとされます。
この検査には、高額医療制度(健康保険)の利用が可能です。

腹腔鏡治療

全身麻酔をかけ、お腹の中に内視鏡を入れて卵巣、卵管、子宮の状態をモニター観察し、不妊につながる原因を肉眼で診断する検査です。
いわゆる”お腹を切らない手術”で、従来の開腹法とは異なり、術後の回復が早く、美容面や入院期間の短縮などメリットがあります。

検査・治療の目的

  • 不妊症や月経痛の原因精査と、その除去(おもに子宮内膜、卵管の通過性や癒着、排卵障害)
  • 卵巣、卵管の腫瘍の切除と組織の診断
  • 子宮外妊娠・急性腹症の診断とその手術
  • 子宮筋腫の除去

ただし、内視鏡下の限られた視野の中で行われるため、卵管や卵巣の強い癒着、腹腔内の出血、腫瘍の大きさ、高度の肥満などによっては実施できないことがあります。通常、2~5日間の入院が必要です。

子宮鏡治療

まず検査にて子宮に直径3~4mmの子宮鏡(ファイバースコープ)を挿入し、子宮内部の様子をモニター観察します。子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮形態の異常、子宮内膜の癒着など調べます。 検査中に異常が見つかった場合は、後日改めて病変を切除します。 検査は麻酔なしで行われ、5~10分程度で終了します。治療の場合は、静脈あるいは腰椎麻酔で行われ、ほとんどが日帰り手術です。

不育症

不育症の検査

妊娠はするけれども流産・死産を繰り返し、結果的に子供が持てない場合、不育症と呼びます。
一般的に2回連続した流産・死産があれば不育症と診断し、原因を検索します。
不育症の検査はたくさんあります。検査をして原因を突き止める事が治療の第一歩です。また、人によっては複数の原因が重なり、1つの原因が見つかったからといって安心できない場合もあります。
ただし、流産の原因は十分解明されていない所もあるため、下記の検査をしても原因がつかめない事もあります。

保険適応の検査

甲状腺検査(TSH fT4)
甲状腺ホルモンを調べます。
血糖値
異常値の場合、着床障害や排卵障害の原因になる事があります。
抗カルジオライピン抗体IgG
抗リン脂質抗体の1つ。
APTT-LA
抗リン脂質抗体の活動性を検討するテスト。
第12因子
流産と関連した血液の凝固能力の異常を調べます。
プロテインC
流産と関連した血液の凝固能力の異常を調べます。
プロテインS
流産と関連した血液の凝固能力の異常を調べます。
染色体検査(夫婦)
夫婦の染色体に異常がないか調べます。
要予約(月~金 原則午前中まで)
抗CLβ2GP1抗体
抗リン脂質抗体を活性化させる働きのある物質。
APTT
血液の凝固能力の異常を調べます。
子宮卵管造影
造影剤を入れて、子宮の形状や卵管の疎通性を調べます。
子宮ファイバースコープ
子宮腔内のポリープ・筋腫・奇形の有無・卵管口の観察をします。

自費の検査

慢性子宮内膜炎の検査
着床不全や流産の原因の組織検査です。
抗カルジオライピン抗体IgM
抗リン脂質抗体の1つ。
抗PE抗体IgG
抗リン脂質抗体の1つ。
抗PE抗体IgM
抗リン脂質抗体の1つ。
ループスアンチコアグラント(蛇毒法)
抗リン脂質抗体や自己免疫症患の指標です。
NK活性
免疫性流産の原因の一種。
要予約(月~金 午前中)
抗DNA抗体
免疫異常の検査です。
リンパ球混合培養試験(MLC)
夫婦のリンパ球を合わせて相性を調べます。
  • 予約が必要な検査は前日の診療時間内に病院までご連絡ください。検査日が休日の前日は予約ができません。
  • 要予約の検査は検査会社に予約が必要です。
    必ず前日までに受付に採血の予約の電話を入れてください。089-969-0088
  • 採取料・判断料は別途となります。

原因と治療法

  
原因治療法
抗リン脂質抗体症候群
  • アスピリン療法
  • ヘパリン療法
  • ステロイド療法
血液凝固異常
  • アスピリン療法
  • ヘパリン療法
染色体異常
  • 経過観察
  • 体外受精
高NK活性
  • ピシバニール療法
  • イントラリピッド療法
リンパ球混合培養異常ピシバニール療法
子宮奇形子宮鏡手術
自己免疫
  • 柴苓湯
  • ステロイド療法
  • 内科専門医へ
甲状腺異常
  • 薬物療法
  • 内科専門医へ
原因不明
  • 柴苓湯
  • ホルモン療法

着床不全

着床不全対策

良好胚を2回以上移植しても妊娠にいたらない状態を着床障害(不全)といいます。着床障害は原因や治療法が十分解明されていない分野です。当院では着床障害の検査・治療として以下の対策を行っています。

検査法

子宮内膜日付診

内膜の受け入れのタイミングのズレを調べます。

子宮ファイバースコープ検査

ポリープ等の着床を阻害する疫病を見つけます。

糖代謝異常

内膜の状態に影響するインスリン抵抗性などを調べます。

甲状腺機能検査

甲状腺ホルモンを調べます。

血中ビタミンD

ビタミンDの不足は着床不全の原因となります。

免疫異常

自己抗体

血栓形成を助長し、循環障害を起こす事により胚・胎芽成分の発育を障害します。

抗PE抗体lgG・抗PE抗体lgM
抗リン脂質抗体の一つ
抗カルジオリピン抗体lgG・抗カルジオリピン抗体lgM
抗リン脂質抗体の一つ
抗核抗体
自己抗体の代表的な検査
特殊免疫

胚・胎芽成分に対する寛容性が低下し、免疫的に胎児成分を攻撃しようとする異常。

NK活性
免疫性流産・着床不全の原因の一種。子宮内に存在するリンパ球の活性を調べます。
要予約(月~金 午前中)
※月経中は検査できません

染色体検査

染色体異常を持つ胚は拒絶・流産を引き起こしやすいため、染色体に異常がないか夫婦で調べます。
要予約(月~金 午前中)

リンパ球混合培養試験(MLC)

夫婦のリンパ球を合わせて相性を調べます。
要予約・ご夫婦で来院(火~金 午前中)

血液凝固異常

第12因子・プロテインC・プロテインS
流産と関連した血液の凝固能力の異常を調べます。
  • 要予約の検査は検査会社に予約が必要です。
    必ず前日までに当院の受付へお電話にて、採血の予約ください。 089-969-0088

治療法

胚盤胞凍結融解胚移植(ホルモン補充周期、排卵周期にて移植)

採卵で得られた受精卵を一旦凍結保存し、次周期以降に自然周期またはホルモン補充周期によって内膜を作り、そこへ解凍した胚を移植します。

新子宮内膜刺激胚移植法

着床は胚と子宮内膜のクロストーク(相互応答)によって成立すると考えられています。
胚は発育途中に子宮内膜に対して、着床を促進するいくつかの因子を分泌していることがしられています。
それは胚培養中の培養液にも存在し、これを移植前の子宮内に注入して着床率をあげる方法があります。
最近、着床促進物質の解析が進められており、その一つがHCGであることが報告されています(Hum reprod vol31 2016)。胚盤胞移植の数日前にこのHCGを子宮内に注入し、着床環境を整えた上で胚盤胞移植を行う方法が新子宮内膜刺激胚移植法です。

2段階移植法

受精後2~3日目に初期胚を移植し、引き続き5日目に胚盤胞を移植する方法です。
初期胚移植によって子宮内膜を整え、胚盤胞が着床しやすい環境を作ることを目的としています。

レーザーアシステッドハッチング

レーザー照射によって受精卵の殻(透明帯)を開孔、または薄くすることで着床を促す方法です。

エンブリオグルー

エンブリオグルーとは胚移植の際に用いる特殊な培養液です。 特徴として、ヒアルロン酸(Hyaluronan)を多量に含んでおり、妊娠率・着床率が上昇するとの研究結果や臨床での報告があります。 日本では、使用した場合、妊娠率・着床率が約10%上昇したとの報告があります。

DBT(胚盤胞2個移植)

胚盤胞を2個移植することで、妊娠率の向上を期待する方法です。
その一方で、多胎になる可能性も高くなります。

子宮内膜日付診−ディレイド移植

子宮内膜の受け入れ時期が大幅に遅れている、または進んでいる方がいます。
事前に内膜日付組織診断によって受け入れ時期を把握し、内膜へ合わせた解凍移植を行う方法です。

免疫療法

リンパ球混合培養試験、NK活性の結果が不良である場合、ピシバニール療法を行っています。
また、抗リン脂質抗体が高い場合はステロイド療法を行っています。

閉経療法

3~6ヶ月間、月経を止める注射を行い、内膜を休ませ(内膜症や筋腫の有る場合は治療を兼ねて)、その後ホルモン補充周期で凍結胚を移植する方法です。

凍結保存

受精卵・胚盤胞凍結

受精卵の約50%は5~6日間の培養で胚盤胞に到達します。これをガラス化凍結保存します。
移植には2通りの方法があります。1つは別の月経周期に自然排卵にあわせて解凍移植する方法です。
自然周期の内膜を利用することで着床率が向上します。また、ホルモン補充周期で内膜を作り、解凍移植する方法もあります。
これらの方法のメリットは卵の質を見極め、排卵誘発剤の副作用や内膜への悪影響を回避できることです。
近年、この治療法が急速に普及しています。

精子凍結

当院では仕事などの社会的・身体的状況などに合わせて、時期を遅らせる目的で精子の凍結を行っています。
また、貴重な精巣内精子の保存目的でも凍結を行っています。
なお、がん治療の為や未婚の方を対象には行っておりません。

卵子凍結

当院では行っておりません。

高度生殖医療

自然周期採卵

誘発剤を使わず自然排卵に合わせて体外受精を行う方法です。

低刺激周期採卵

内服中心に刺激して不足分は注射を使用する方法です。
注射を減らして副作用を抑えられるメリットがあります。

体外受精(IVF-ET)

体外受精とは、卵子と精子を体外に取り出し、受精させてから子宮内に戻す方法です。
排卵誘発法で成熟卵を作り、それを卵巣から採卵し、試験管の中で精子と受精させます。
2~5日間培養し、赤ちゃんの種になる分割卵や胚盤胞を育て、これを子宮に移植します。
もともとは、卵管閉塞などで妊娠できない人のために開発された方法ですが、現在は、男性不妊、原因不明不妊、抗精子抗体陽性、排卵障害の方にも適応されています。
一般的には排卵誘発剤を使用しますが、自然排卵のある方は、誘発剤を使わない自然排卵周期法(ナチュラル法)による体外受精(顕微授精)からスタートします。
結果が出ない場合、徐々に誘発法へステップアップしていきます。
一方、誘発剤で誘発されない場合、ナチュラル法に切り替えることもあります。 

顕微授精(ICSI)

顕微授精は1個の卵子に1個の精子を用いて受精させる方法です。
特殊な機械と顕微鏡を使い、精子を卵子の中に直接注入します。
受精率は50~80%で、卵を戻した人の妊娠率は20~25%です。
この方法を行うのは、体外受精で受精できない、体外受精での受精率が非常に低い、あるいは精液所見で最初から体外受精は不可能と考えられる場合などです。
また、体外受精で受精はするものの、卵のグレードが悪い場合にも行うことがあります。

受精前の卵子の質を解析

受精前の卵子の質を解析する装置(特殊偏光顕微鏡)を導入いたしました。
Oosight Imaging System (CRI社)を用いて、卵子には卵子の紡錘体(分裂途中の核)を観察することにより、卵子の受精能力の評価や受精率の向上が可能となりました。

タイムラプス培養法

タイムラプスモニタリングシステム

全ての方の卵子の培養をタイムラプスで行っています。

当院では妊娠率の向上にむけて、胚へのストレス軽減及び胚の分析を行うため、Primo Vision タイムラプスモニタリングシステムを導入しました。
通常胚を観察する際はインキュベーターから取り出し、顕微鏡下で行います。しかし、この作業により培養液中のPHの変化や温度低下が起こり、胚にストレスがかかる懸念があります。
このタイムラプスモニタリングシステムは、胚をインキュベーターに入れたまま観察ができる為、胚にとってより良い環境で培養する事が可能です。
また発育の様子を動画で観察する事で、受精や分割・発育速度が正常であるかどうかなどの情報を得ることが出来ます。
複数個の受精卵がある場合は、これらの情報をもとに良好胚の選択をすることができ、妊娠率の向上が期待できます。

費用

当院では基本的に全例使用のため培養料に含まれております。

  • メンテナンス等により使用できない場合は培養料よりタイムラプス使用料分を減額することがあります。
  • ご希望により胚発育の画像データをUSBにてお渡し出来ます。追加料金:1,500円(税込み)
注意事項
  • タイムラプスから分かることは形態評価であり、受精卵の染色体異常の有無などが解るわけではありません。
  • 機械の不調などにより、タイムラプスによる撮影が一時中断されることがあります。このような不慮のトラブルが生じる場合もありますのでご了承下さい。培養そのものに影響はありません。
受精~胚盤胞までの様子

精子活性化処理・卵子活性化処理

精子活性化処理

ペントキシフィリンは、精子無力症における精子の運動性の賦活化やTESE(精巣内精子回収法男性不妊 を参照)における運動生存精子の選別・回収などに使われています。 当院では顕微授精の受精率改善を目的としてペントキシフィリンを使用しており、80%以上の方で改善が認められています。

卵子活性化処理

精子活性化処理を行っても受精卵が得られない方に対して、次の段階としてカルシウムイオノフォアを用いた卵子活性化処理を行っています。受精の過程で精子が卵子内に侵入すると精子から卵子活性化物質が放出し、卵子内のカルシウム濃度が上昇します。 カルシウムイオノフォアはこのカルシウム濃度の上昇を補助するための薬剤です。 当院ではカルシウム処理を行った全ての症例で受精率の改善が見られました。

当院のペントキシフィリンおよびカルシウムイオノフォア処理における臨床成績について
学会発表演題はこちら

体外成熟培養(IVM)による不妊治療

体外成熟培養(IVM)による不妊治療により中四国で初めて出産に成功しました。
副作用の少ない新しい不妊治療の開発に期待が寄せられています。全国でも成功施設は数施設です。

IVMとは

排卵誘発剤を使用しないが、HMG製剤のみを少量使用して未成熟の卵子を体外に取り出して体外で成熟培養を行い、顕微授精を用いて妊娠させる方法です。
7~8年前から大阪のクリニックを中心に取り入れ始めております。
排卵誘発剤による副作用が起こりやすい体質の患者に対して安全性の高い治療が提供できることで着目されています。全国で50名程度の出産例があり、1995年に世界初、2000年(平成12年)に本邦初の出産例が報告されています。
体外での卵子の成熟培養は技術的に難しくまだ全国的にも成功例が少ないが今後の発展が期待されております。

過去の症例

患者様は県内在住の30才代の女性。重度の排卵障害による不妊に悩んでおりました。
2005年1月に近くの病院を受診、6回にわたり 排卵誘発剤による治療を受けるも妊娠できず、卵巣過剰刺激症候群とよばれる副作用を発症し治療を中断せざる得ない状況が続いておりました。
2006年6月に当院を紹介され2006年8月に卵巣から未成熟卵子8個を回収いたしました。
そのうち4個を体外培養にて成熟させることに成功しました。
これに顕微授精を施行し2個の受精卵を得ました。一端受精卵を凍結保存し後日、凍結解凍した1個の受精卵を子宮に移植したところ妊娠が成立いたしました。この間の治療による副作用は全く認めておりません。
2007年6月妊娠39週にて女児を紹介病院にてご出産いたしました。現在、母児ともに健康で異常は認められていません。
この方法による出産例は2002年に続き2人目で中四国での出産例はなく、排卵障害があり治療の副作用の出やすい患者様に対して安全性の高い不妊治療を提供できることが期待されております。

※排卵誘発剤 とは
排卵障害や体外受精の患者に対して使用される2種類の薬剤。
まずFSH製剤(卵胞刺激ホルモン製剤)にて卵子を発育させ、引き続きHCG製剤(黄体化ホルモン製剤)で成熟した卵子を排卵させます。
HCG製剤をうった後で体質によってはOHSS(卵巣過剰刺激症候群)と呼ばれる副作用が起こる場合あり、重篤な場合は生命に危険が及ぶこともございます。
これまで副作用のリスクが高い場合はHCG製剤を中止して治療を中断することもございます。

一般不妊治療

タイミング療法

タイミング療法とは、排卵日を予測して性交渉のタイミングを指導する方法です。
タイミング療法には自然周期法と排卵誘発法の2つがあります。
いずれの場合も経腟超音波やホルモン検査によって排卵時期が予測できます。
通常、卵胞が18~20mmの大きさになると排卵が起こり、排卵日前の2日間が最も妊娠率が高まる時期です。
排卵日は基礎体温表をつけることで予測できますが、前述の検査であれば、さらに正確な排卵日がわかります。
当院では、状況に応じて排卵誘発法を行い、場合によってHCG製剤という注射剤を投与します。
HCG製剤は、卵胞をさらに成熟させて排卵をうながし、排卵後の黄体化を促進させます。

排卵誘発法

タイミング療法を6ヵ月ほど行っても効果がみられない場合や排卵障害が認められる場合は、排卵誘発剤を使用することがあります。
これによりスムーズな排卵と質のよい卵子の発育をうながします。
最初は効き目が穏やかなクロミフェンやセキソビット®、塩酸ピオグリタゾン、アロマターゼ阻害剤などの内服薬を処方します。
効果がみられない場合は、徐々にHMG製剤、FSH製剤などの注射に切り替えていきます。
ただし、注射は効き目が強い一方で、直接卵巣を刺激するため、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を引き起こすリスクもあります。
ホルモン値の測定や超音波検査で卵胞を観察しながら、慎重に投与していきます。

人工授精(AIH)

人工授精とは、あらかじめ採取した精液を子宮に注入して精子と卵子が出会う確率を高める治療法です。
まず超音波検査やホルモン検査で正確な排卵日を予測します。当日、採取した精液を遠心分離器にかけて運動良好精子を抽出・濃縮し、直接カテーテルで子宮の奥深くに注入します。
処置中に痛みを感じることはほとんどなく、その後の過程も自然妊娠と同じですから、からだへの負担が少ない方法といえます。
この方法は、精子の状態に問題がある男性不妊(精子所見不良)、子宮頸管粘液不良などに有効です。
ただし、卵管の通過性が確認できた場合に適応します。妊娠は1回あたり10%前後です。

男性不妊の相談

夫婦生活の相談、精液検査、ホルモン検査等を行います。
治療はカウンセリングや薬物療法、泌尿器科との共診を行います。ご夫婦一緒での受診が必要です。
男性不妊について

その他(運動療法・食事指導)

脂肪細胞(主に内臓脂肪)は、レプチンやインスリン感受性などを介して、月経周期や排卵調整に深く関わっています。
適度な運動やカロリーコントロールは妊娠のための重要な要素になります。
当院では、管理栄養士による栄養バランス指導(保険適用)を積極的に行っております。
また有酸素運動とリラクゼーションを兼ねてフラダンス教室(無料)を開催しております。

セミナー

治療実績

16年間の臨床実績※2001年9月1日~2017年8月31日現在のデータです。

不妊治療
体外受精/顕微授精(採卵周期数)
体外受精後の対症例妊娠率 54.4%→詳細
9,016件
凍結融解胚盤胞移植数
凍結融解胚盤胞移植の妊娠 30.2%(1回あたり)
1,723件
不妊治療後の妊娠数 3,219件
不妊カウンセリング 2,082件
無精子症治療(TESE)
simple TESE対症例妊娠率 59.0%(23/39症例)
micro TESE対症例妊娠率 83.3%(5/6症例)→詳細
73件
内視鏡手術
手術件数合計 1,102件
腹腔鏡手術
術後妊娠率 32.2%
366件
卵管鏡下卵管形成術(FTカテ)
術後妊娠率 34.3%
547件
子宮鏡手術 189件
年齢別に見た体外受精成功率
年齢 妊娠率 2017年6月まで 出産率 2016年6月まで
~29才 58.3% 50.1%
30~34才 55.9% 45.6%
35〜39才 50.3% 35.6%
40〜42才 34.2% 21.5%
43〜44才 18.3% 5.7%
45才〜 6.1% 0%
  • 妊娠に至るまでの平均移植回数は2.6回です。(年齢が高くなる程、回数が増える傾向です。)
  • 妊娠しても、必ず分娩まで至るとは限りません。
  • 現在当院での最高出産年齢は44才(3名)です。

Q&A

不妊治療についてのよくある質問

治療方針は?

目指しているのは、自然な方法で自然妊娠とかわらない出産をしていただくこと。

  1. 心とからだに負担の少ない治療を心がけています。 排卵誘発剤が必要な患者様に対しては低刺激治療を実施し、胚盤胞凍結保存法や体外成熟培養法(IVM)を用いて可能なかぎり低刺激な体にやさしい治療を行っています。
    さらに最近はリスクマネジメントが重要視されています。当院でも開設時からダブルあるいはトリプルチェックを行い受精卵の取り違いが起こらないよう最善の対策をとっています。
  2. ナチュラル法による成績向上を目指しています。 技術面では排卵誘発剤を使わない自然排卵周期法(ナチュラル法)による体外受精(顕微授精)の成績向上に取り組んでいます。2008年4月に学会は、多胎防止策として移植胚数を原則1個(場合により2個)とする見解を示しました。これは自然周期採卵(ナチュラル法)を中心として「1個の採卵で単胎妊娠を目指す」という、当院開院以来のコンセプトと合致すると考えられています。 排卵誘発剤が必要な患者様に対しては低刺激治療を実施し、胚盤胞凍結保存法や体外成熟培養法(IVM)を用いて可能なかぎり低刺激な体にやさしい治療を行っています。さらに最近はリスクマネジメントが重要視されています。当院でも開設時からダブルあるいはトリプルチェックを行い受精卵の取り違いが起こらないよう最善の対策をとっています。
  3. カウンセラー&コーディネーターがすべての方をサポートします。 近年、体外受精に関する技術の進歩はめざましいものがあります。
    しかし、その一方で治療を受ける方の様々な負担が増大しています。そのため、次々に登場する治療技術に対して、ご夫婦が一緒になって理解を深めていく努力が必要になります。このことは治療成功後の出産・育児にとって、とても大切なことだと考えています。
    これらをサポートするため、こころのケアを行うカウンセラーや、治療をわかりやすくお伝えするためのコーディネーターの育成に取り組んでいます。また、学会認定の専門スタッフによる相談窓口も開設しています。
不妊治療助成金制度について教えてください。
当院は愛媛県及び松山市の特定不妊治療助成金制度の指定施設です。
愛媛県内にお住まいで、体外受精、顕微授精および男性不妊治療(TESE)の高度生殖医療をお望みの方は、治療費の一部を負担する助成金を申請し、受け取ることができます。
申請の詳しい対象者、申請書類については各自治体のホームページ、または最寄りの保健所へお問い合わせください。また当院スタッフにもお気軽にお尋ねください。
画像ファイリングシステムとは?
診断や検査で得られた画像をコンピュータにとりこんで保存、処理、検索するシステムです。
このシステムの導入により、受精卵や精子運動の様子、超音波、X線の画像を、瞬時にコンピュータ画面に表示できるようになりました。患者様に画面を見て頂きながらよりわかりやすい説明が可能になりました。
不妊カウンセリングって?
ご夫婦にあった治療の選択をして頂くための情報提供・相談のプロセスのことです。 不妊治療はご夫婦の希望で成り立っています。治療はおまかせ・・・ではなく、自分たちの状況を知り、その上で自分たちに合った治療選択をして進んでいくスタイルです。そのためには、まず正確な情報や治療上のリスクを十分に理解して頂く必要があります。
でも、こんなことを聞いてもいいのかな・・・
  • 検査ってどんなもの?
  • 今の私たちの状況は?
  • どんな選択肢があるの?どれを選択したらいいの?
色々な疑問や不安があるかと思います。些細なことでも構いません。
不安が強くても話すことで気持ちが楽になったり、知ることで不安が解消されたりすることはよくあります。
少しでも気持ちにゆとりが生まれ、ご夫婦が納得して治療を進められれば・・・と考えています。お気軽にご相談にいらっしゃってください。

対象当院不妊外来の受診の患者様
施行時間30分以内(有料)。
超過の場合は15分ごとに追加料金を頂いております。
予約制 ご予約はお電話にて承っております。
089-969-0088
学会発表演題及び発表論文
  • 2018-2016年
  • 2015-2009年
  • 2008-2002年
  • タイムラプス培養法はDay4胚盤胞の形成を促し、妊娠成績を向上させる
    第5回愛媛生殖医学研究会・発表:2018年3月10日 愛媛・いよてつ会館
  • 卵管瘤水腫に対する腹腔鏡下卵管切除術のART成績に及ぼす有用性について
    第30回愛媛県産婦人科医会臨床集談会・講演:2017年12月16日 愛媛・ひめぎんホール
  • 最近の生殖医療の動向と当院における取り組みについて
    第70回東予産婦人科医会学術講演会:2016年11月16日 愛媛県・YOURS(ユアーズ)
  • タイムラプスを用いた初期胚発育における異常所見出現頻度と年齢の関係性
    第60回日本生殖医学会学術講演会・総会:2016年11月3日~4日 パシフィコ横浜
  • 自然排卵周期を用いたassisted reproductive technologyの有用性に関する検討-15年間のデータ解析と知見- 愛媛県産婦人科医会報(2016年:第52号:P14-21)掲載
  • 当院における無精子症治療の臨床成績-simple-TESEならびにmicro-TESE-
    第27回愛媛県産婦人科医会臨床集談会・講演:2016年5月28日 愛媛・県医師会館
  • 自然周期ARTの有用性に関する検証―15年間のデータ解析と知見―
    第3回愛媛生殖医学研究会:2016年3月5日 愛媛・いよてつ会館
  • 顕微授精における未受精例に対するペントキシフィリンを用いた精子活性化処理の有用性
    日本受精着床学会雑誌(2015年:第32巻:第1号:p82-85)掲載
  • Stimulation of sperm with pentoxifylline prior to intracytoplasmic sperm injection increases fertilization success
    第60回日本生殖医学会学術講演会 IFFS/JSRM International Meeting 2015:2015年4月26日~29日 パシフィコ横浜
  • 胚連続観察(タイムラプスモニタリング)システムを用いた新しい胚の培養方法について
    第58回愛媛県産婦人科医会学術集談会:2014年12月20日 ひめぎんホール本館
  • 当院におけるrescue-IVM-ICSIの有用性について
    第59回日本生殖医学会学術講演会・総会:2014年12月4日~5日 京王プラザホテル
  • 着床障害に対するOK432免疫療法と妊娠予後について
    第59回日本生殖医学会学術講演会・総会:2014年12月4日~5日 京王プラザホテル
  • ワインクーラーを用いた精子保存の有用性
    第32回日本受精着床学会:2014年7月31日~8月1日 ハイアットリージェンシー東京
  • ICSIにおける未受精例に対してpentoxifyllineによる精子活性化処理は有用か?
    第58回日本生殖医学会学術講演会・総会:2013年11月15日~16日 神戸国際会議場、神戸ポートピアホテル
  • 着床障害症例における末梢血NK細胞活性ならびにOK432免疫療法の有効性について
    第58回日本生殖医学会学術講演会・総会:2013年11月15日~16日 神戸国際会議場、神戸ポートピアホテル
  • 子宮内膜症合併不妊における腹腔鏡手術がART成績に及ぼす影響について
    第57回日本受精着床学会:2012年11月8日~9日 長崎ブリックホール
  • 当院における40才以上のART成績について ー当院における治療限界年齢の検討ー
    第30回日本受精着床学会:2012年8月30日~31日 大阪国際会議場
  • 反復着床不成功例に対する移植前周期のendometrial datingの有用性について
    第29回日本受精着床学会:2011年9月9日 東京・京王プラザホテル
  • 自然周期採卵によるARTを何回までtryすべきか
    第55回日本生殖医学会:2010年11月11~12日 あわぎんホール&ホテルクレメント徳島
  • 自然周期採卵によるARTの妊娠・周産期成績に及ぼす影響 -卵巣刺激周期との比較-
    第55回日本生殖医学会:2010年11月11~12日 あわぎんホール&ホテルクレメント徳島
  • 自然周期採卵においてGnRHアンタゴニストの投与は有用か -採卵前の血中LH値別の検討-
    第27回日本受精着床学会:2009年8月6日 京都・京都国際会議場
  • 自然周期採卵におけるpremature LH surge例の対応と臨床成績の検討
    第27回日本受精着床学会:2009年8月6日 京都・京都国際会議場
  • 子宮adenomatoid tumorの一例(腹腔鏡下筋腫核出術の伏兵)
    第46回愛媛県産婦人科医会学術集談会:2008年12月27日 愛媛・県医師会館
  • Minimal stimulation protcol としてのFlare cycle IVF/ICSIの成績 当院におけるIVM-ICSIの成績
    第53回日本生殖医学会:2008年10月24日 神戸・神戸国際会議場
  • 受精前の卵子の質を解析する装置(Oosight Imaging System)
    第25日本受精着床学会:2007年8月30日 宮城・仙台国際会議場
  • GnRHアンタゴニスト製剤(セトロタイド)を用いたARTの臨床成績
    第42回愛媛県産婦人科医会学術集談会:2006年12月16日 愛媛・県医師会館
  • 周産期成績の及ぼすARTの影響 -卵巣刺激法による比較検討-
    第51回日本生殖医学会:2006年11月10日 大阪・リーガロイヤルホテル
  • GnRHagonist flare cycleにおけるIVF/ICSIの成績
    第51回日本生殖医学会:2006年11月9日 大阪・リーガロイヤルホテル
  • 生殖補助医療における夫婦面談の有用性について
    第51回日本生殖医学会:2006年11月8日 大阪・リーガロイヤルホテル
  • 生殖補助医療における夫婦カウンセリングの有用性について
    第40回愛媛県産婦人科医会学術集談会:2005年12月17日 愛媛・県医師会館
  • HMG製剤を追加したGnRHアゴニストNatural cycle IVF/ICSIの試み
    第50回日本不妊学会:2005年11月17日 熊本・スカイホテル
  • 周産期医療に及ぼすAssisted Reproductive Technologyの影響 -自然周期を用いたART診療の影響についての解析-
    第4回愛媛周産期研究会:2005年1月29日 愛媛・県立中央病院
  • Natural cycle IVF/ICSIの成績に及ぼす年齢因子の影響
    第38回愛媛県産婦人科医会学術集談会:2004年12月18日 愛媛・県医師会館
  • GnRHアゴニストを使用した新しいNatural cycle IVF/ICSIの試み
    第49回日本不妊学会 北海道・旭川グランドホテル:2004年9月3日
  • Natural cycle IVF/ICSIの成績に及ぼす年齢因子の影響
    第49回日本不妊学会 北海道・旭旭川グランドホテル:2004年9月2日
  • 精漿中のエンドトキシン濃度の測定とARTに及ぼす影響について
    第48回日本不妊学会 東京・品川プリンスホテル:2003年10月1日
  • 高速自動蛍光免疫ホルモン測定装置(エバネット)を用いたnatural cycle IVFの臨床成績
    第48回日本不妊学会 東京・品川プリンスホテル:2003年10月1日
  • 当院におけるnatural cycle IVFの臨床成績
    第33回愛媛県産婦人科医会学術集談会 愛媛・愛媛県医師会医学研修所:2002年6月1日
妊娠しやすいからだを作るには?

妊娠の基本は健康なからだづくりです。
それに欠かせないのが食事運動リラクゼーション。まずは自分のからだと向きあってみましょう。

BMIを計算してみましょう

身長と体重を入力し、『計算』をクリックするとBMIの数値が計算されます。

身長
 cm
体重
 kg
BMI
痩せBMI 18.5未満 標準BMI 18.5~24.9(理想22.0) 肥満BMI 25.0以上

痩せや肥満の人は排卵障害、月経不順につながりやすく、妊娠後のすべて(妊娠経過、出産、産後)のリスクが高くなります。
肥満の人は食生活を見直し適度な運動を。痩せの人は運動でお腹をすかせ、食欲を増進させましょう。

食事

1.肉・魚・大豆類 2.乳製品・海藻・小魚 3.緑黄色野菜 4.淡色野菜・果物 5.穀物・イモ類 6.油脂類 の6つの基礎食品の中からバランスよく摂取を。
アスパラガス、ほうれん草、しいたけ、たまねぎなど、血流によい食品を積極的に摂りましょう。

運動

ウォーキングや自宅でのエクササイズ、ヨガなどで適度にからだを動かして血流アップを。
運動はストレス軽減の効果もあります。
エレベーターではなく階段を使い、早歩きなどを心がけて、無理せずはじめましょう。

リラクゼーション

日常生活のストレスは当たり前。上手にリフレッシュして発散することです。
ただし、喫煙は血流を低下させ、卵子や精子に悪影響を及ぼします。
妊娠後の胎児の発育障害や早産の原因にもなるため、卒煙の努力をしましょう。

体外受精についてのよくある質問

体外受精・胚移植術とは?
成熟した卵子を作り(自然周期又は排卵誘発法)、卵巣から取り出し(採卵術)、試験管の中で元気のいい精子と一緒にして(媒精)受精させた後、2~5日間培養器の中で培養した胚を子宮の中に戻す(胚移植術)方法です。
体外受精:IVF-ET(in vitro fertilization embryo-transfer)は、1978年にイギリスのエドワード医師とステップトー医師により始めて成功しました。後の技術革新は目覚ましく、国内で累計18万人以上の赤ちゃんが誕生したと推計されています。体外受精は国内で500カ所以上の施設で実施され、年間延べ10万人の方が治療を受けています。年間約2万人の赤ちゃんが誕生し、現在生まれてくる赤ちゃんの50人に1人が体外受精により誕生する時代となりました。
体外受精の出産できる確率はどのくらいですか?
年齢によって異なりますが移植できた方の約20%です。年齢上昇に伴い流産率や子宮外妊娠率は上昇してきます。
自然周期採卵における妊娠率はどれくらいですか?

※対移植妊娠率は2017年6月までのデータです。

NC法(N-HMG 含) 対移植妊娠率 流産率
~29歳 24.5%
(25/102)
0%
(0/23)
30~34歳 20.4%
(82/401)
9.3%
(7/75)
35~39歳 16.1%
(81/504)
18.8%
(13/69)
40~42歳 6.4%
(12/188)
20.0%
(2/10)
43~44歳 4.1%
(2/49)
100%
(2/2)
45歳 4.3%
(1/23)
100%
(1/1)
全体 16.0%
(203/1267)
13.9%
(25/180)
何個卵を子宮に戻すのですか?
  • 35歳未満で初めて移植する場合は1個移植
  • 35歳以上の方や2回以上移植を続けて妊娠に至らなかった方は2個移植可

上記に基づいて、胚のグレードや経過などを考慮しながら決定します。
2008年4月の日本産婦人科学会の見解に従って実施しています。

体外受精で受精しなかったり分裂しなかった卵または戻さずにあまった卵はどうなりますか?
精子や卵子のコンディションが悪い場合や、受精障害のある場合は受精しないことがあります。また授精しても正常に 分割しないものもあります。この場合移植は中止し、受精卵は破棄します。また、余った正常な分割胚は同意を得て凍結保存を行います。(別途契約書の作成と凍結管理料が必要)受精卵や精子の凍結保存期間は原則1年です。
体外受精、顕微授精で異常な赤ちゃんが生まれる可能性は高くないのですか?
異常児の出産頻度は自然妊娠の場合(1-2%)と変わらないと報告されています。体外受精を行っても本当に正常な卵子と精子が受精しなければ赤ちゃんにはなれないからです。ただ、治療法自体の歴史は浅く我々の予期せぬ未知のリスクが存在するかもしれません。将来体外受精児の肉体的、精神的発育並びに子孫に影響を及ぼすことがあっても当院は一切責任を負わない事を了承してください。
妊娠後に何か気を付けなければいけないことがありますか?
体外受精で妊娠した総ての人が出産できるわけではありません。自然妊娠に比べて流産率(約3倍)や子宮外妊娠率(約5-8倍)が高いことが知られています。妊娠後もしばらくは注意して見ていく必要があります。また多胎(双子以上)率は約15%です。
体外培養技術(IVM)とは?
未成熟な卵子を採取して体外で成熟させる技術をIVMと言います。
通常はhCGの注射によって成熟された卵子を取り出しますが、前述した通り卵胞がたくさん発育するとOHSSになる危険性が高まります。そこでhCGの投与を中止し、OHSSの危険性を回避していきます。
しかしこの場合、hCGによる体内成熟が行われないまま採卵するので、未成熟卵を採取することになり、これらは体外で成熟される必要があります。まず採取した未成熟卵を1~2日かけて培養し、成熟させます。そして、成熟した卵子に顕微授精を行い、受精卵を凍結保存、後日、自然周期やホルモン補充周期にて解凍移植するという生殖技術のすべてを集結させた方法と言えます。

欠点として採卵率の低さがあげられます。採卵できる確立は30~40%で通常採卵の半分以下です。また培養によって必ず成熟するとも限りませんが、成熟した場合の受精率は通常と変わりません。
適応となる方は限られており、実施例も多くはありませんが2002年に出産例(中四国初)を得ております。
体外受精の予定ではなく一般排卵誘発をしていて数多くの卵胞ができててしまい、急遽この技術を使用するケースもあります。そのほとんどの方が多嚢胞性卵巣症候群という排卵障害を持っている方です。すなわち治療をキャンセルしたくないが、副作用は出来るだけ抑えたいと希望される方がこの技術を選択されるということになります。この場合も急遽夫婦面談をして施行することになります。
またhCGを投与して通常の採卵をしても、未成熟な卵子が採取されるケースがあります。この場合もIVMの適応とし、顕微授精を行ないます。(hCG投与後の未成熟卵の体外成熟率・受精率は低いと言われております。)
着床しにくい人に対する対策は?
良好な卵を戻しても子宮に着床しない方がいます。着床現象の本質は解明されておらず必ず有効な対策が見つかるとは限りませんが、その方に合った方法を根気強く見つけていくことが必要です。原因は受精卵(胚)側と母体(子宮)側に大別されます。

受精卵側の対策

  1. アシステッドハッチング 胚は着床の際に透明帯という殻を破って(孵化)子宮に接着します。しかし、この時透明帯が硬い・厚い等の理由で孵化できない可能性があるのではないかと考えられています。
    アシステッドハッチングとは、レーザによって透明帯に穴を開け、その穴から胚を出やすくさせる補助的技術です。
  2. 胚盤胞移植 胚を5日間培養して着床直前の段階まで育ててから移植する方法です。着床率を上げることができますが、胚盤胞に到達する胚は体外培養では5~6割と言われています。(胚の質によっても変化します。)
  3. 移植数アップ 着床は胚と子宮内膜の相互関係(シグナルのやりとり)によって成立すると言われています。移植数を増やすことによって胚からシグナルを増幅させ、内膜の着床環境を整えます。現在行っている最大の治療法は胚盤胞2個移植です。
  4. 卵子の作り方の変更 卵子の作り方にはいろいろな方法があります。ナチュラル法を基本としていますが、状況に応じて作り方(誘発法)を変更し、その方に合った方法を見つけていきます。
  5. 顕微授精への変更 体外受精では受精はするものの、グレードの高い胚が出来ない方がいます。理由の一つとして受精のタイミングのズレが考えられる為、受精時期を一定にする目的で顕微授精へ変更する場合があります。
  6. タイムラプスモニタリングシステムの使用
  7. 薬物療法(ピル・漢方・ビタミン)やサプリメントの使用

母体側の対策

  1. 自然周期採卵 誘発法で結果が得られなかった場合、ナチュラル法へ切り替えて対処することがあります。
  2. 着床環境の変更 一旦凍結して解凍した胚を、自然周期またはホルモン剤によって内膜を作った周期(ホルモン補充周期)に移植します。
  3. 新子宮内膜刺激胚移植法 胚盤胞移植の数日前にHCGを子宮内に注入し、着床環境を整えた上で胚盤胞移植を行う方法です。
  4. 特殊検査 子宮内膜日付診/NK/MLCなどの検査を行い、着床不全の原因を探っていきます。
  5. 免疫療法 ステロイドホルモン・ピシバニール療法・イントラリピッド療法
  6. 薬物療法(ピル・漢方・ビタミン)やサプリメントの使用
年齢の影響について教えてください。
年齢が上昇するに従って妊娠率は低下していきます。また自然妊娠と同様に、母体の年齢上昇に伴って流産率は高くなります。
年齢別に見た体外受精成功率は詳しくはこちら
何回くらい治療を受ければ成功しますか?

表全体を見る際はフリック操作でご覧ください。

当院で治療され妊娠へ至った方の平均移植回数(2017年6月迄)
年齢 ~29歳 30~34歳 35~39際 40~42歳 43~44歳以上 45歳以上 全体
平均移植回数 2.2±1.4回 2.3±1.4回 2.7±1.6回 3.6±2.2回 3.5±2.8回 4.5±3.5回 2.6±1.6回

年齢とともに妊娠する移植回数は増える傾向にあります。(最大22回)
妊娠する方の大半は移植2~4回以内で成功していることになります。

費用はどのくらいかかりますか?
費用については詳しくはこちら
臨床成績の報告の義務について
当院は日本産科婦人科学会の生殖補助医療登録施設であり、また特定不妊治療費助成事業の愛媛県指定施設でもあります。
それぞれの機関へ随時ないし、年に1回の臨床成績の報告義務が課せられております。

体外受精・顕微授精・凍結解凍胚移植に関しての報告内容

各治療周期において

  • 患者様の身体的情報・助成事業の使用の有無・治療方法・卵の状況
  • 精子の状況・受精の状況・卵巣刺激方法・黄体管理の方法・移植の方法
  • 妊娠の状況

ならびに各報告内容の総数(1年毎)

妊娠した場合に関して

  • 産科合併症・分娩様式・妊娠予後(在胎周数など)
  • 出産年月日あるいは人工流産日・胎児数・児の性別と体重
  • 早期新生児予後・児の先天異常名/染色体異常名

重要事項

治療に先立って報告そのものに対してご承諾頂くこと、また報告に際して当院よりご本人様へお問い合わせをする場合や、出産された施設へ妊娠分娩や児に関する情報を照会することがあることをご承諾頂く必要があります。
個人が特定できる実名や住所や生年月日は一切報告および公表することはありません。
承諾頂けない場合は当院での治療は行えませんので必ず治療前にお申し出ください。
治療後のお申し出や異議申し立てには一切応じられませんので十分にご考慮ください。

培養室や受精卵に対する安全管理について教えてください。
平成21年2月に香川県にて受精卵の取り違え事件が発生しました。いかなる業務においてもヒューマンエラーの可能性を認識し、その発生を限りなくゼロにする努力が重要です。当院では認定培養士が複数名おり、ダブルチェックまたはそれ以上のチェックを行っています。また同じ操作テーブルに複数の方の卵子や精子を置くことを禁止し、培養士がお互いに監視・確認しながら作業を行っております。
停電対策もとっておりますが、地震や火災などの不慮の事象により大切な卵子・精子・受精卵を失う危険性はゼロではないということをご理解頂くとともに、これらの場合の責任は当院では負えないことをご了承ください。

顕微授精についてのよくある質問

顕微授精について
体外受精は本来卵管の中で行われている環境を再現している方法で、1個の卵子に5万~10万の精子をかけて受精させます。 顕微授精は特殊な機械と顕微鏡を使って精子を使って精子を卵子の中に直接注入する方法で、1個の卵子と1個の精子を用いて受精させます(卵細胞質内精子注入法:ICSI)。
これは1992年にベルギーの Palermoらによって世界で初めて成功した方法であり、1994年に国内で初めて赤ちゃんが生まれています。
体外受精では翌日、顕微授精では採卵当日に卵子周囲の細胞を取り除くことで、卵子の状態を詳しく観察します。採取直後は卵子の詳細ははっきりとは分かりません。
顕微授精には特別な準備が必要ですか?
採卵当日の精子と卵子の状況によっては顕微授精が必要になる事もありますので、同意書は最初から体外受精でも顕微授精でも行えるように準備していただきます。また、体外受精を行っても受精しない場合に急遽、顕微授精を追加することがあります。
これをレスキュー顕微授精といい、この場合の顕微授精料金は採卵数日後で請求となりますので、ご了承ください。
どうしても顕微授精には抵抗があり、施行してほしくない際は事前にお伝えください。
急に顕微授精が必要になるときはどうなりますか?
ご主人さんの精子の状態が本番当日、非常に悪い場合がたまにあります。この場合に急に顕微授精が必要になることがあり、早急に準備をして対応します。そのため同意書は最初から体外受精でも顕微授精でも行えるように準備していただきます。 また、体外受精を行っても受精していない場合に急遽顕微授精に切り替えるレスキュー顕微授精を行うこともあります。この場合、顕微授精の料金は採卵数日後での請求になりますのでご了承ください。どうしても顕微授精には抵抗があり、施行してほしくない場合は事前に申し出てください。
顕微授精を用いた無精子症の治療とは?
無精子症治療について詳しくはこちら